私思累々

映像業界から抜け出せないみそじ

2017年9月のブログ記事

  • 映画は必要か?「ゼイリブ」ジョン・カーペンター監督

    答えはNOだ。 いらない。 さらに言えば車もiphoneも電車もインターネットもお金も、胸ポケットさえも本当は必要ない。「それがあった方が幸せです」っていう総体的な思い込みの中で生きているだけでしかない。 アーミッシュという信徒はキリストのいうことを信じて200年以上前の自給自足の生活を今でも続け... 続きをみる

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  • 会いたくて震えてないでこの映画で震えろ!「ELLE」ポール・ヴァーホーヴェン監督

    ポール・ヴァーホーヴェン監督の映画は、最高だ。 なぜ最高かというと、ヴァーホーヴェン監督は忖度したおためぼかしなものを絶対に描かない。幼少期にオランダの戦火の最中で、仲間であるはずの連合軍からの攻撃を受けた。見渡す限りの死屍累々、地獄絵図と化した戦火を生き抜いたヴァーホーヴェン監督は、一般的な正し... 続きをみる

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  • ロメロウィルスは世界の隅々へ「新感染」ヨン・サンホ監督

    「ゾンビよりも人間のほうが遥かに恐ろしい」 これを浮き彫りにするためにゾンビは墓の下から蘇ってきたのなんだと「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」を観て、ぼくはロメロ監督から教わった。人を喰うゾンビと、人を平然と足蹴にできてしまう人間だったら、思考がある上でそうする後者の方が絶対に恐ろしい。 ゾンビ... 続きをみる

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  • 面白い映画とは?

    毎日映画を観ているとそれを知っている知人友人から「面白い映画教えて」と聞かれることがたまにある。そんな時はいつも困ってしまう。映画サイトが計算した平均点の高い映画を教えればいいのかな?それとも名作とか?「残菊物語」と言っても「ロボコップ」と言っても首を傾げられてしまうのは百も承知。 うむ。一体全体... 続きをみる

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  • 人物に興味のない男「ダンケルク」クリストファー・ノーラン監督

    退屈だった。 三つの時間の流れが、ブツ切れに並行して描かれる。戦場を疑似体感させたいと謳っているわりには、違うベクトルの情動をカットバックされても乗れない。観たいと一瞬思っても、全く別件(後から繋がるとかどうでもいい。観てるのは今だから)を見せられて毎回こっちは立て直さなければならない。もちろんそ... 続きをみる

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  • 概念と映画「散歩する侵略者」黒沢清監督

    侵略映画は昔から山ほどあって、中でも有名なのは「ボディ・スナッチャー」で、何度もリメイクされている。最初のドン・シーゲル監督が手掛けた本作が公開された50年代当時、多くのSFが作られ「地球の静止する日」や「宇宙戦争」などの外部からの攻撃や侵略を恐れ、「遊星からの物体X」や「ボディ・スナッチャー」の... 続きをみる

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  • なぜ映画を観るのか?

    「なぜ映画を観るのか?」 なんてことを考えている人はどれくらいいるのだろう。 きっとそんなに多くはない。映画は娯楽で一過性のジェットコースターに乗るように、その瞬間楽しめて、劇場を出たら連れに「何食べる?」って聞けるくらいさっぱりしてるのが「いい映画」とされているような気がする。 そうでなければ「... 続きをみる

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